鍼灸の効果が感じられないと思って、治療をやめてしまうと..

 

不妊治療をしていて、例えば採卵から移植へと進みます。2個ある凍結胚盤胞のうちの1個を融解して、移植をすると着床してHCGが出ます。

やったー、これで赤ちゃんを産めるぞと患者さんは喜んでいましたが、次回の予約をキャンセルする電話が入って、そのあと鍼灸治療に来なくなってしまいます。

もう妊娠したし嬉しくなったら、お金がもったいないと思ったのか?連絡を取ろうとしても取れない状態が続きます。どうしているのかな?と思いつつ、時間が過ぎて…半年もした頃に、突然連絡が入ります。

そこで、その後どうですか?調子はいかがですかと伺うと

実は8週目で流産になってしまい、ガッカリして治療に来なくなったとおっしゃいます。それから、残りの凍結胚盤胞を2度目に移植したものの、着床の反応は出なくて…

そこから同じ病院で、新たに採卵をして、2個採卵して凍結し、移植をしたけれども、今度は2度の移植とも、全くHCGが出なくて、着床もしなかったというのです。

ここに至って、やっぱり鍼灸の効果はあったんだなと、気が付いて連絡をして来たのですね。

一度妊娠反応が出ると、嬉しさのあまり、私は自分の力で妊娠できる!と実感されるのだと思うのです。最高レベルの生殖医療の病院ってすごいな!これなら私はまだ赤ちゃんを産めるし、鍼灸はそんなにしなくても大丈夫かな?って思っちゃうのですね。

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ただ「鍼灸の効果が感じられない」とおっしゃる方が忘れているのは、何もしなければ、あなたの卵巣は38歳位から、急激に老化してゆくという現実です。

年齢別の妊娠率の曲線が、がく〜んと下がっているのを、あなたも見たことがあると思うのです。

あれは統計ですが、幅広く集めた数字ですから、現実を反映しているのです。わたしはまだ大丈夫とか、根拠もなく思い違いをしないでくださいね。

要するにあなたの卵巣力も、何もしなければ、普通に機能が落ちてゆくのです。その時の採卵で、卵が採れて妊娠したとしても、その後の採卵では、また条件が違うのです。だから卵巣力の維持のためにも、鍼灸の力は必要なのですね。

治療を1年半しているけど、状況は一進一退で、効果が感じられないとおっしゃる方。1年半も治療を続けているのに、卵巣力が始めと同じレベルなのは、何もしていない人とは違い、卵巣力が賦活されているからなのです。

現在も、1年半前と同じレベルでいられること自体、私たちのように不妊治療の臨床を、毎日見ている人間からすると、卵巣がすごく頑張って、能力が維持されていると思うのです。

あと少し時間が経つと、卵巣の老化がさらに進んで、採卵できるレベルの卵が育ちにくくなる時期が突然のようにやって来ます。

その時期が来ても、採卵に臨んでいる多くの患者さんに比べたら、今この時期に一生懸命治療して、質の良い卵を作ることがどれだけ大切かをもっと知っていただいて、ぜひ時間を有効に使っていただきたいのです。

そうでないと、卵の質をアップして出産できる卵を採卵することは、実はそうは容易ではないのです。

効果は感じでつかむものではなく、ホルモン値などの数値の変化で見てくださいね。採卵できたかどうか。胚のグレードはどうか。移植したらHCGがどのくらい出たか?着床、妊娠したらどのくらい妊娠が継続できたか。こういった全てが、医学的な数字に現れます。

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その数値が上がっていれば、明らかに治療の効果は上がっていますし、効果が上がっているなら、そこを進んでくださいね。もし数値が平行線だったら、数値が下がっていただろう状態よりは効果は上がっています。

でも目的に対してはまだ、その効果を評価できない状況かもしれません。ここで思い出して頂きたいのは、不妊治療はアンチエイジングの要素を含んでいるという事です。何もしなければただ無為に老化が進みます。

 

例えるなら、上の階に登りたいのに、下りのエスカレーターに乗っている状態なのです。

降るスピードよりも早く歩いて登らないと、どんどん押し戻されてしまいます。もっと早く走って登らないといけません。これは時間が経てばたつほど、大変になっていくということですね。

もし、鍼灸治療をやめてしまうと、下りのスピードが急激に…