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AMH値改善のウソホント―AMH値は卵子の質に影響しない!

不妊治療において、AMH値が低いことにお悩みの方はいらっしゃいませんか? ひょっとすると、「AMH値が低いと卵子の質が悪くなる」と噂で聞いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。 AMH値は卵巣内の卵法の数を反映すると考えられていますが、卵子の質にまで影響しないというのが通説です。 それでは、卵子の質に影響を与えるのはいったい何なのでしょうか? ここでは、AMHと卵子の質の関係についてご説明します。

■卵子の質とは

質のいい卵子は、受精した後きれいに細胞分裂を続け、ちゃんと孵化して着床し、元気な赤ちゃんに育つものです。 対照的に、質の悪い卵子は、受精しても成長しない・着床しない・流れやすいという特徴があります。 卵子の質は、顕微鏡でどんなに見てもわかりませんが、質を上げるためには体温を上げることが良いと知られています。

■AMH値は卵子の質に影響しないと考えられている

AMH値が低いことは卵子の質低下には直接つながらないと考えられてきました。 しかし、最近では、AMH値が直接卵子の質には影響しないものの、多少の関連があることが分かってきました。 原子細胞から前胞状卵胞に育つ間に分泌されるAMHの値は、原子卵胞の残数を示す指標として使われます。


そのため、AMH値が低い場合、卵子を成長させる細胞(卵子の周囲を取り巻いている顆粒膜細胞)の代謝が良くない可能性があります。 この細胞の代謝悪化が卵子の質の低下につながるのではないかと考えられ始めています。 しかし、この研究はまだ途上なので、はっきりとした結論は出ていません。

■卵子の質は年齢が強く影響する

卵子の質に強く影響を与えるのは、AMHではなく年齢だと考えられています。 年齢を重ねると、他の体の器官同様、卵子も老化します。 卵子の元となる原子卵胞は生まれた時点で既に蓄えられており、そこから増えることはありません。


つまり、30歳の時に排卵した卵子は30年間分老化した卵子なのです。 老化の正確なメカニズムは解明されていませんが、卵細胞の中のミトコンドリア(エネルギーを生成する役割を担う)が経年により機能不全を起こすと考えられています。


卵子が老化すると、減数分裂が適切にできなくなり、受精卵に染色体異常が生じます。 通常、人間の細胞内の染色体は46本で減数分裂によって23本になります。 しかし、卵子が老化することで染色体が22本や24本の細胞に分裂してしまいます。 結果、染色体が46本にならない、染色体異常の受精卵が出来上がります。 染色体異常の受精卵は、成長しにくく着床しにくい、また流産しやすいので、妊娠に至りません。 すなわち、卵子の質低下=卵子の老化と考えてよいでしょう。


生物学的な少しややこしいお話でしたが、AMH値と卵子の質に直接的な関係は証明されていないのです。ただ傾向として、年齢が高いのにAMHが高ければ、多嚢胞的な要素が隠れている可能性もありますし、手放しでは安心できません。逆に年齢が若いのにAMHが低い場合、全く心配が無いわけではなく、早期閉経などの可能性が考えられるわけですから、いずれにしても早めの受診や対応が、あなたの子宝にとってプラスに働いてくれるはずですよ。

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